本日(3/23),東京都の水から100ベクレル/lを超える濃度,正確には,東京都内の一部浄水場で水道水1キログラムあたり210ベクレルの放射性ヨウ素が検出されたとのこと.
この数値がどのような影響を示すのかは以下のとおり.
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日本の水道水の規制基準では、1kg当たり100ベクレルを超える放射性ヨウ素が検出された場合は、乳児に飲ませてはいけません。
一般向けの摂取基準は1kg当たり300ベクレルですが、コーデックス委員会が定めた国際食品規格に基づき、ヨウ素を取り込みやすい乳幼児への基準を厳格にしています。
コーデックス委員会は1986年のチェルノブイリ事故後、放射性物質を含む食品の影響で子どもに甲状腺がんが多発したことを受け、基準を定めています。
http://bousaiblog.blog135.fc2.com/blog-entry-95.html
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ベクレルの値は100を超えているので乳児には飲ませることは控えたほうが良さそうです.
ヨウ素は半減期が短いので,長い年月にわたって放射性物質を水から取り続ける危険はないと思いますが余計な放射性物質は取らないに越したことありません.
...というか,上記サイトで
郡山市(1kg当たり150ベクレル・21日)
田村市(1kg当たり348ベクレル・17日、1kg当たり161ベクレル・19日)
という記述が...
いとこと生後3ヶ月の乳児がまさにここにいるのですが...東京電力で頑張っている人がいるのは認めます.が,怒りを感じるのも事実です.
頑張っているのは作業員として現場で動いている人たち.技術的な知識を持ち,勇気と使命感を持っています.外注先であるメーカーの原発設計者もリスクなどは感じていたでしょうし,必要とも思っていたはず.
しかし,個人的な経験では,肝心な仕様やコスト,期間を決めるのは技術的な知識はもとより影響度や将来におけるロードマップをあまり描けない人たちが多く占める立場の人達.簡単に言ってしまえばメーカーではなく,発注者側.そしてさらにその執行役員に当たる人たちなのだと"勝手に思い込んで",やるせない気持ちを沸き上がらせている.
今回の災害の影響を受けた事故もそういう人たちの影響によって引き起こされたのでないかと勝手に考えてしまうのです.
今まで現場ではなく,社内で作業してきた人たちは何をしてきたのでしょうか.
はぁ.親戚が絡んでいるので少し感情的な文章になっています.
ちなみに今回の値は,長期間にわたって摂取し続けた場合に体に害を及ぼす影響があるということで,数回の摂取では影響はないだろうとの見解が政府より示されています.たしかにそうでしょうね.でなければ,原発なんて危険すぎて建設できません.
でも、東京でこれだけの騒動になるということは、宮城や福島、茨城など原発により近い位置に住んでいる人たちはもっと不安を感じているのではと思います。または、被害がひどくてそういった情報が入っていないだけなのかも知れません。
現在、避難している場所に居続けたいと考える人がほとんどでしょうか。もっと一時的にでも、(むしろ一時的ならば)安らげるところに移動したいと思う人の方が多いかもしれません。今回、被災された人たちに少しでも安らぎを。そのために安全な地区での避難場所の確保を願うばかりです。
少しだけ,単位について記述します.
ベクレルという単位は,放射性物質が放射線を出す能力を示します.
もう少し整理して言い換えると,1秒間に1つの原子核が崩壊して放射線を放つ放射能の量が1ベクレル.正直,私には崩壊したから何なのかな?という印象です.
もう一つ,地震後日本中で耳にする言葉がシーベルト.
sv:シーベルト (Sievert) は、生体への被曝の大きさの単位.
この定義だけ見るとシーベルトの値を気にしたほうがいいのではという気になります.そこでベクレル単位の数値をシーベルトに置き換える必要がありますが,ここで大事なのはベクレルは崩壊の量を表現しているので物質によって,ベクレルの値が同じでもシーベルトは異なることを意味します.
いま騒がれているのは,ヨウ素131なので,ヨウ素131を基準にした計算式が必要になります.
10000ベクレル -> 0.22mSvに変換できることになります.(シーベルトの単位はミリシーベルトです).210ベクレルなら、0.00462mSvとなります。この値はとても小さく思えますが、体内から一定時間、被爆するとなるとまた捉え方が変わるのかもしれません。mSv/hではないですし。
参考:ベクレルとシーベルト。ここはお金に例えた例で分かりやすいです.
http://www.tohoku-epco.co.jp/electr/genshi/shiryo/wastes/07.html
話を戻して,今日の水騒動で思ったこと.
・シャワーで汚染された水を浴びた場合はどうなるのか.
・雨で汚染された水を浴びた場合はどうなるのか
上記の点など気になります.恐らく体の表面から吸収される量は微量なので気にする意味もないのでしょう.違ったら後日訂正します.
余談ですが,雨の日は,空中にさまよってる放射性物質が地上に降りてくるため一時的に濃度は上がります.
これは通常の場合でも同じで例えば浜岡原発の監視グラフを見ると放射能濃度が上下しているのが分かります.うーん,よくみると21日から22日にかけては自然放射線の変動範囲をちょっとはみ出てるようなぎりぎりのような..値としては,日常範囲内なので気にするほどではないですね.
http://www.chuden.co.jp/hamaokastate1/ToreMonitorPostNo1_2.html
http://www.hoshasen.pref.shizuoka.jp/rr-condition/st/04.html
ヨウ素の他に放出されている確率が高い物質,半減期の長いセシウムの除去する薬の輸入も始まっているようです.
http://nk.jiho.jp/servlet/nk/kigyo/article/1226555571525.html?pageKind=outline
そして,まとまりのない文章を更にまとまらなくする,このタイミングで以下のニュースも入ってきました.
ウィキリークスは,日本に関する情報はまだあまり公開されていなかったのでまさに格好のタイミング.
この当時は小泉内閣でしょうか.
http://www.jiji.com/jc/c?g=soc&k=2011032300090
"時事ドットコム:日本の原発は「コスト優先」=米外交官が06年に疑念−ウィキリークス"米外交官は公電で、電力各社にコスト削減を強いる電力自由化の問題点を指摘し、日本政府が原発の安全性に関してルーズなのではないかと疑念を示した。また、原発の耐震性に関心を寄せ、地震が多い地域で原発建設への反対運動が増加していると指摘した。
外交官はさらに、使用済み核燃料から取り出したプルトニウムを再利用する「プルサーマル発電」に関して、東京電力の事故隠しで延期されたものの、日本政府が推進すると決めた以上、電力各社に選択の余地はないとする関係者の話を紹介。「われわれは経費節減と生産性向上を合言葉に、安全が犠牲になる例をあまりに多く見てきた」と報告したという。(2011/03/23-06:42)