予告編はこちら.
この映画は今回の東日本大震災によって日本国民の原発への意識の急激な高まりを受けて,放映されている地域も期間も広がり,おかげで私も遅ればせながらみることができました.
映画は全体的に静かに,淡々と進みます.たまに大きな音がでます.連日の仕事疲れで眠気と闘いながらの鑑賞でしたが学べる点,感心できる点がいくつかありました.
彼らは『再処理はすべきではない.なぜなら核兵器に使えるプルトニウムの量産になるから』と言った.
また,地下に核廃棄物を埋めていき,最終的にはコンクリートで入り口を閉める.
地上は,この100年の間に2回も世界大戦があった.極めて不安定である.
フィンランドの核廃棄物埋立地は2億年前から安定していることが分かってるらしい(?)
さらに
彼らは以下の点を重要視していた.
・人が関わらずに保存できること
・地上の不安定さを受けないこと
・未来の人々がそこに近寄らないこと
地上がなんらかの理由によってその場所を人々が忘れた時,そこに近づこうとするだろう.そして,金属製の格納容器を見つけるだろう.
(ジョークで,今回,地下を掘っているときに,過去の格納容器が見つかることを恐れていると言ってた.ものすごい昔に核エネルギーを活用した文明があったのかもしれないということだ.)
そこに近づかないためにどのようなことができるか,そういうことを彼らは考えていた.
映画を見てて分からなかったのは,核燃料廃棄物を格納して長期間保存することを考慮しているのはわかったが,原子力発電はいつまでつづけるつもりだったのだろうか.
廃棄場所がいっぱいになった後もまだ原発が稼動していれば,結局人類は終わりのない後始末に追われ続けることになる.
テクノロジーで言えば,
・放射線を遮断できる物質
・核燃料廃棄物を完全に消滅できる方法
・放射線を打ち消してエネルギーを取り出す方法
などが実用化されればいいのかな.
原発と付き合うということはどういうことか,何を覚悟しなければならないか,考えさせてくれる映画だと思う.