2011年07月07日

数学的思考の技術 [book]




本は読んでいるのですが,ブログで紹介できなかったのでいくつか連続して書こうと思います.

読みやすさを優先した結果,浅い紹介だけで終わってしまった気がする.この本は数式が出ないことを一つの売りにしているが,それでももう少し数学的な要素を期待していたのでその分物足りなさが残った.

ただ,身近な例を取り上げてくれてるので,その原理を知るのは,見えないものに対する不満を抑えるのに役立つ場面もある.そういうものの中で,自分はもっと深く知りたいという気持ちが残ってるんだろうな.

身近な例としては以下のようなものがある.

- 給料が上がらないのはなぜか



固定給にはそれなりの必然性がある.
『社員のリスク回避的性向を踏まえて,固定給の最低水準よりそれなりに高く平均が設定され,それほど大きな差がつかない変動給』を上手に設計すれば良い.

- 年金問題を数学から考える


賦課方式の年金は,ごねる旅行者に負けて「無限の魔力」の手を借りてしまったホテルの支配人の行為と全く同じ,ということなのだ.人口が減少し始めるとこの魔力はいっぺんに失われる.国民は納めた金額より少ない年金しか受け取ることができない.しかし,途中で廃止するのは,もっと大きな悲劇が待っている.それは部屋数が有限だったら,誰か遠くの方の部屋の宿泊者が部屋を追い出される,ということと同じなのだ.


- 協力って大事?



利益を両者でどう分け合うかを決める.経済学が想定している市場価格取引というのは,社会全体の協力ゲームのコアを達成することと同じ.では,この人間社会でいつもコアが可能かというと,そうでないところが困ったものなのである.利益構造の出来が悪いと,コアが原理的に存在しなくなってしまう.


一番,関心を持ったのは以下の項目.

・第6章 私たちが暮らすべき魅力的な都市とは



ジェーン・ジェイコブスというアメリカの都市学者の研究でアメリカの代表的な都市について,第2次世界大戦前後の都市開発をつぶさに調査・分析し,魅力的な都市の備える4条件を見出した.

それは次のようにある意味,逆説的にも見える原則たちであった.

1. 「街路の幅が狭く,曲がっていて,1つ1つのブロックの長さが短いこと」
2. 「古い建物と新しい建物が混在すること」
3. 「各区域は,2つ以上の機能を果たすこと」
4. 「人口密度ができるだけ高いこと」



これら4条件をすべて満たす都市空間こそが魅力的な都市で在り続けている.,ということをジェイコブスは統計的分析の末に発見したのである.

3.の具体例がほしいと読んでて思った...あと,情報がかなり古い時代の研究なので今は異なるかもしれない.


この本を読んでて,みんなの意思をどのように平等に捉えるかについて考えたりしてた.

例えば,政策決定の流れの場合.

多数決でいけば年配者優遇の政策ばかり歓迎されるし,政治家の年齢を考えても,それは自分たちの利益にもなる.
投票数も得られ,かつ,自分の生活を楽にできるなら個人的には,政治の世界にも定年はあってよいと思うし,投票格差も地方是正のみではなく,年代による是正を加えて世代間の政策の差をもっとはっきり示したほうがよいと考えている.


年長者を軽く見ているわけではない.ただ,あまりにも教育コストを軽んじ過ぎてると思う今日この頃なのです.


ラベル:Book 数学 impression
posted by maplewine at 20:22| Comment(0) | TrackBack(0) | book | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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