2011年09月17日

「世界一大きな問題のシンプルな解き方」読み終えて

世界一大きな問題のシンプルな解き方

世界一大きな問題のシンプルな解き方
著者:ポール・ポラック
価格:2,310円(税込、送料込)
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貧困はなぜ起こるか,過去にどのようなアプローチがあり,その何が失敗だったか,そして,どのようにすれば解決するか,適度な数の例が挙げられていて,分かりやすい本.著者の実際の経験を通して,学んだこと,得られたこと,実践して成功した例などがあり,内容は充実していると思う.



2006年に,ネクストマーケットという本を読み,貧困層に対して,ビジネスの視点からアプローチする方法,及びそこにどれだけの市場が隠れているかという例を知った.この本では,このネクストマーケットで挙げられている本の内容も取り出し,それだけでは不十分だと言った.大事なのは,「他にも適用できるか」そして,「継続可能か」.この視点はビジネスにおいて良く意識することだし,それでも後回しにされて目先の利益ばかりが追われている現実があると思う.


著者は言います.なぜ,貧困に関わろうとする人たちは実際に現地の様子をみないのかと.
これは,「裸でも生きる」の著者山口絵理子さんも言われていた点でした.現場を知らない人たちが政策を決定する世の中.うまくいかないと経験から分かってて,なぜ繰り返されるのでしょう.
少し抜粋して紹介すると,以下のような内容.

■貧しい人達から学んだ4つのポイント

1. 貧しい人達が貧困状態にある最大の理由は,十分なお金を持っていない,ということだ
2. 世界で極度に貧しい人達の殆どは,1エーカーの農場から収入を得ている
3. 高付加価値で労働集約的な作物を育てる方法がわかれば,貧しい農民たちはもっとお金を稼げる.
たとえば,シーズンオフの果物や野菜を育てるのである.
4. そのためには,非常に安価な灌漑装置,良い種子と肥料を手に入れる必要がある.利益の出る価格で作物を売れる
市場にもアクセスできなければならない.





なぜ世界は1エーカーの農場と小耕地の灌漑という2つの現実から目をそらそうとするのか.なぜなら,生存ぎりぎりの農場と,そこでよく用いられるバケツによる灌漑は時代遅れで原始的であると見なされ,じきに現代的な農業と灌漑に代わると考えられているからだ.



私たちは,常に最善の方法は,その時の流行りの技術を使うことだと思いやすい.いまだったら,クラウドや電子書籍とかでしょうか.
著者は,以前,以下のようにいわれたことを事例として出しています.


「ボラック博士.あなたは毎朝,デンバーのオフィスにロバの荷車を引いていくのですか?….」
2年後に,ロバの荷車のプロジェクトが収入創出の面で最も成功したプログラムになると,彼の見方も変わった.




・支援者ができること
現在,貧困撲滅の活動に提供される資金には,2つの大きな血管がある
1. 資金の80%ほどが開発途上国の政府に直接届くが,このやり方は効果を生まない
2. 資金の提供者が,すべての投資でプラスの効果が出るように要求していない.また規模を拡大して,
数百万人に効果をもたらすよう求めていない




■開発組織ができること
1. どんなプログラムでも,始める前にできるだけ多くの貧しい人達と話す.そして,彼らが暮らし
働いている状況について,できるだけ具体的に知る
2. 貧しい人達にとって価値がありそうな製品やサービスを思いついたら,彼らが現在の収入で買えるような価格でデザインする.
貧しい人達が買わなかったら,変更を加えるか中止する.
3. 貧しい人達を製品やサービスを購入する顧客として扱い,援助を受ける人として扱わない
4. 物を与えるのをやめ,政府や支援者が助成金を出すのに反対する
5. 1日1ドルの人たちがお金を稼ぐための製品やサービスをデザインし,流通させる.その倍,投資に対する費用差し引き後の
リターンが,1年で300%いじょうになるようにする.
6. 民間のサプライチェーンの代等を促し,貧しい人々に公正な市場価格で必要なものを売る.民間のバリューチェーンの出現も促し,
貧しい人達が自分たちの製品を売って利益を出せるようにする
7. 借入ができるようにする




先進国と言われる国々が,経済の混乱に陥っている中,途上国に進出しようとしている人には読んでほしい本です.


ビル・アンド・メリンダ・ゲイツ財団は,プロジェクトに資金を提供する上で,次の2つのルールを定めている.とても有益な条件だ

1. プロジェクトがいかに有望に思えても,どんな効果が出せるか明確に定義していない場合や,
その効果を実現できない場合は,財団は資金を提供しない
2. 効果が明確に定義されていても,多くの人にそれが及ぶよう,大規模化できるものでなければ,
財団は資金を提供しない.



こういう指針は大事だと思う.自分もこれから先も様々な組織の活動内容を知る機会があると思うけど,意識していきたい.





ラベル:Book peace 貧困
posted by maplewine at 09:07| Comment(0) | TrackBack(0) | book | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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