スケジュールを合わせるので東日本大震災の被災地支援をしたいとのことで,今回は福島県南相馬市に行ってきたお話です.
ルートはこんな感じ.
より大きな地図で Fukushima-May-2012 を表示
まず,実際の作業場所の周りの様子について,写真はありません.なぜなら,写真を観光客のように撮りまくる様子をみることで哀しい気持ちになる現地の方もいるためです.
そのため,一部は文章で状況だけかきます.
南相馬市は,今まで放射線の影響で中々県外の人間は入ることができなかったようです.もちろん入ろうと思えば入ることは可能ですが,復興支援として団体で活動を行うには容易ではなかったようです.
その相馬市街へ4月より入れるようになり,5月に参加して「原発事故」が残したものをみてきました.
本来,南相馬市は福島県いわき市から割と近い距離にあり,電車が無事だったのならば,関東から行くのは難しいことではありません.線路がダメになっていたとしても,道路はありますのでバスなどによる運搬手段はあります.そのため,日帰りボランティアなどやりやすい距離であったはずの福島県津波被害地域の復興作業が実はいまだあまり進んでいません.
その原因は,福島原発事故のためです.
原発から漏れ出る放射性物質の影響で,いわきから南相馬市へは交通規制が敷かれ,自動車などで行くことができません.そのため,高速道路利用者は,二本松ICから向かうことになり,電車利用者は福島駅や仙台駅からバスで向かうことになります.
その辺の交通手段は,こちらにまとめられています.
南相馬市生活復興ボランティアセンターのブログ
http://ameblo.jp/minamisoma-svc/
ここは5月末で事務所として利用していた場所は閉館し,別の場所へ移動します.
相馬市ボランティア活動センター
http://ameblo.jp/v-home-net
今までボランティアツアーも岩手や宮城ばかりだったのも現地からの募集が少ないのではなく,この規制が大きかったのです.未だ一部の規制はありますが,それでも今後,南相馬市行きのボランティアツアーが増え,復興作業が進むことを願います.
話が少しそれましたが,現地へ向かうまでの背景として以上のような事情がありました.
当日の朝のボランティア受付までに行くのは自家用車を使わないと無理なので,車のない私たちは,福島駅で待ち合わせをし,バスで前日の夜,ただし宿泊施設は夜21時に門の施錠が行われるためそれまでに着くようなスケジュールを組みました.
利用したバス.
ついてすぐに銭湯へ.汗を流して翌日に備えたのですが,宿泊所よりかなり遠く(自転車で15分弱?),しかも銭湯も21時までとかなり慌ただしかった…
おなじ宿泊施設には,何度も作業をしに遠くから来ている人たちがいて,元々東京在住だった人でこちらに住民票を移して活動している方,京都から自分の荷台車を出して南相馬市まで何度も来てくれる方,その他,新潟など様々な地域から集まっている人たちでした.
翌朝もパラパラと人々がやってきます.初めての人は全体の半分弱だったかな.
当日朝来る人たちは,夜行バスで福島駅に来て,朝一番の南相馬行きのバスを利用したそうです.その交通手段があるのは知っていましたが,夜行バスの利用がしんどそうなので今回の利用は見送っていました.
当日は天気に恵まれ,非常にやりやすい1日でした.
(鼻の粘膜の弱い自分は,くしゃみ・鼻水との戦いでもありましたが..)
奥の黄色い建物が,ボランティア受付センターです(5月末まで).
作業場所は,今回は全部で4箇所に分けられ,自分は車で20分ほどの海の見える場所でした.作業場の近くに(数少ない)コンビニがあり,そこでお昼を利用することになります.また,仮設トイレが作られていて,そこを現地の住民の方も利用しているとのことでした.
行なった作業は,草刈り,草運び,屋根から落ちてきたがれき撤去作業など.作業が進むと瓦礫だらけだった土地がどんどんきれいになっていくのが分かり,自分たちの作業進捗状況がわかったのは,以前の雪の中の作業との大きな違いでした.
作業道具を運ぶのに使用された車の一つ.
ぼうぼうに生えた草木を切って集めた山に寄りかかって休憩中寝てしまったスタッフの一人.
私の個人的な都合もあり,当日帰るか,翌日帰るか悩んでいた時に,福島市から車で来られた人が車に乗せてくれるという話になり,お言葉に甘えることに.
非常に良く話す明るい方で,助手席に座っていた別の方とずっと運転中お話ししてました.私は途中,後部席で意識が飛んでしまったり...
この人はガイガーカウンターを持参していて(福島県内のTSUTAYAで貸出しているとのこと),南相馬市の作業場所で放射性物質が溜まりそうな場所を測定しましたが,(確か)0.3uSv/h くらいで,関東等他の地域と同等レベルでした.福島駅に向かう途中に飯舘村を通るのですが,その途中のサービスエリアのような場所で以前測定したときは1.0uSv/h 以上あったとのことで現在も居住制限がされている地域は少し値が高めにでるようです.
南相馬市へ向かう途中の時は,暗かったので全く見えませんでしたが,福島駅へ向かうときは街の様子を見ることが出来ます.
飯舘村臼石小学校.(別の場所だと思いますが先日,仮校舎が建設されて開校式が行われたとのニュースがありました).
すぐ近くのレストランの様子.
福島駅まで送ってくれた方(以降,Aさんと言います)は,しきりに「福島のために来てくれてありがとう」という言葉を述べていました.途中の交通費なども支払いする・しないで話した挙句,押し切られてしまいました(こういうの自分苦手).向こうとしては「感謝の気持ち」ということでたった1日しか作業の出来なかった自分としては申し訳ない気持ちでいっぱいです.
その時,紹介してくれたのが駅前にある「ダンケシェーン」というソフトクリーム屋さん.
以下は,食べログのリンクです.
http://r.tabelog.com/fukushima/A0701/A070101/7001622/dtlrvwlst/2991260/
店名 ダンケシェーン
TEL 024-524-0565
住所 福島県福島市栄町7-14
交通手段 福島駅から234m
営業時間 11:00〜24:00日曜営業
ここのエーデルクリームのソフトクリームがお勧めとのことで連れてってもらいました.従来のソフトクリームのような甘すぎではなく,さっぱりに近いソフトクリームでとても美味しいです.夜中まで営業しているお店で飲み会帰りに来るお客さんが多く,夜中はかなり賑わっているとのこと.
最初,お店に入った時,Aさんとお店のスタッフがとても親しげに話してたので常連さんなんだなぁと思ってたのですが後で聞いてみたら初対面とのことで笑ってしまいました.
このとき,美味しいとんかつ屋の名前も聞いたのですが忘れてしまいました....
さらには,Aさんには駅前の極楽湯という温泉施設?の割引券まで頂いてしまい,ゆっくり疲れを取られせ頂きました.
後半は関係ない話になってしまいましたが,終日楽しい人々に囲まれた一日でした.
また時間を作って南相馬市へ行けたらと思います.
※追記
南相馬市は,震災から1年以上たった今も復旧作業がほとんど進んでいません.その理由は交通機関の規制や居住制限のためです.5月からいよいよ動き出したかと思いますが,多くの人々の目が福島の海岸周辺の現状に向かって欲しいと思います.