過去のメールを整理していたらたまたま以下の文章を見つけ,その内容を見て少し思うことがあったのでつらつら書いてみます.
中国人向けの日本語試験とその回答(実話らしい)
<追記8/10 コメントよりこれはラーメンズのネタだというご指摘がありました。未確認ですが表記を改めさせて頂きます。ありがとうございます。>
問1 「あたかも」を使って短文を作りなさい。
答え:「冷蔵庫に牛乳があたかもしれない」
問2:「どんより」を使って短文を作りなさい。
答:「僕は、うどんよりそばが好きだ」
問3:「もし〜なら」を使って短文を作りなさい。
答:「もしもし、奈良県の人ですか?」
問4:「まさか〜ろう」を使って短文を作りなさい。
答:「まさかりかついだ金たろう」
問5:「うってかわって」を使って短文を作りなさい。
答:「彼は麻薬をうってかわってしまった」
これはとてもシュールな感じがあります.ただ,同時に,外国人の日本語の勉強方法の一つを理解できたような気分でした.
質問に対する回答は,日本人から見れば「ひねくれた回答」とも解釈できる回答.そして,回答としては決して間違えていることではない.質問に曖昧さが含まれているからです.
なぜ,このような回答になるのかと考えてみると,一つは,質問全体を正確に理解できていないということもあるのでしょうが,文章まるごとをまずそのまま暗記しているのではと推測されます.
単語一つ一つは理解できなくても文章で覚えると,1つの単語が分からなくても,穴埋め問題は推測できるし,同様の方法でリスニングも少し聴き逃しても推測から補間することが出来る効果が得ることができます.
自分自身の経験に照らしあわせれば,想像できるかと思いますが,私たちは普段日本語で会話している時,すべての単語を正確に聴いているわけではないのです.相手の滑舌であったり,外部のノイズであったり,自分自身の不注意であったり,一瞬聞き漏れがあっても大抵自動的に音を生成して補間しています.それは,今までの経験から,「そこにはこういった意味が含まれているだろう」という推測が動くからです.
「丸暗記」は,デメリットもありますが,メリットもやはり大きいです.日本の大学受験対策は過去の過去問を丸暗記することが短期間で高得点を取るには一番良いという意見もあります.要は応用しにくいだけなのです.
「まるごと暗記」は,非効率に感じますが,実際は割りと役立つことが多いのです.パーフェクトではないですが,役立つシーンは多い.
自分も英文丸暗記をやりたいというのが本音で日々意識はしているのですが難しい...やる気の問題なのか..
改めてみても,この回答はすごいなと感じます.日本人ならこんな回答は出て来ません.言語習得の過程が異なると,このように浮かんでくるアイディアも変わるものなのでしょうか.
色々この件について考えることがあるのですが,話がそれてしまうので改めて書く機会があればと思います.