いきなりですが正直、最初自分がなぜこの本を読んでいるのかわかりませんでした。
Amazonでの評価はそこまで高いというわけではなく、ただ自分のほしいものリストに入ってたからという理由で文庫本の方を購入。
読んでくうちに、個人情報の扱いについて議論が進む中でひとつの参考になるという意見を以前聞いたからだということを思い出しました。
12次受け以上の深層で連なるプロジェクト委託構造という日本における悪しき習慣の闇であったり、
ブラック企業で虐げられる人々の壊れ具合や認知的不協和を象徴するような人々の正当化理論であったり、
さらに発展した自分だけができる、自分の使命であるというような錯覚を起こしてしまう感覚であったり、
そういうソフトウェア業界の古い体質や社会的弱者の立ち位置で被りやすい”あるある”についても記載されている。
普通のフィクションですが、スタートは一人の男性がマルウェア作成の疑いをかけられ、冤罪として拘束されているところから始まる。
警察の取り調べ可視化や個人情報の名寄せ問題、カメラによる監視と顔認証・データ共有など色々と近年議論になっていたテーマが取り込まれていて面白いと思います。
どれも、「ああ、過去に似たような事件・議論があったなぁ」と思ってしまうようなことがあり、いろんなことを振り返りながら読みました。
読み物としては面白いのではと思います。最近、小説はあまり読んでなかったと思うので内容をあまり考えず購入してしまった功罪というか、意外な内容との出会いを楽しめました。
ちなみにこの著者の藤井さん、私は知らなかったのですがこんな記事もあり、いろいろ活躍されている方だなぁと。
"人類は「機械が生み出す知財」にどう向き合うべきか――SF作家・藤井太洋氏がゲストの「ゲーマーはもっと経営者を目指すべき!」第19回 - 4Gamer.net" - http://www.4gamer.net/games/999/G999905/20140811059/
話それますが、知財についてはもう2010年代だというのに課題が山積みと個人的には考えてます。
特にソフトウェア・コンピューティングの動向にまったく追いつけておらず、知財制度の目的である”技術の進歩”を逆に阻害しているように感じる。
最後に話がそれてすみません。
ひさしぶりに本について書いた気がします。自分のメモを見直すとここ数ヶ月本を読んだ記録がない。。。
あれ?と思って思い返すと電子書籍を買いまくるようになって、それぞれちょっとずつ読んでいるため途中で終わってるのです。8月はちょっと本に集中しようかな。とちょっと反省してます。
ラベル:Book